環境が私たちを成長させる!


初期臨床研修1年目
・荒木 建一/聖マリアンナ医科大学卒
・吉田 規人/東邦大学卒
・橘 茉莉花/聖マリアンナ医科大学卒
・満尾 有沙/岐阜大学卒

――荒木先生と橘先生は聖マリアンナ医大の出身ですね。
荒木 多摩病院は聖マリアンナ医大が管理運営を行っていて、一期上の先輩は全員がマリアンナ出身でした。今年も同じだろうと思い込んでいたので、8人のうち4人が他大学の出身と聞いて、驚きました。
 私は人見知りをする性格なので、他大学卒の方とうまくやっていけるかどうか、不安はありました。でも私たちの同期は、人に恵まれていて、8人が1つにまとまっています。大学時代の同期から他の研修病院の話を聞いてわかったのですが、同期全員が仲が良いというのは珍しいようです。
――満尾先生と吉田先生は他大学の出身ですが、母校以外の病院を選んだ理由は?
吉田 大学を出てそのまま研修に入れば、人間関係を一から作り直す必要はありません。医大の同期生とは6年間、一緒に勉強したり、遊んだりして、お互いのことをよくわかっています。また、病院のスタッフは、5年次に実習でお世話になっているので、名前と顔を覚えている人ばかりです。苦労は少ないかもしれませんが、新しい環境に飛び込むほうが、刺激があって学ぶことも多いだろうと考えて、多摩病院を選びました。
満尾 出身大学が違えば、医療に対する考えかたは変わります。さまざまな大学の出身者と一緒に研修を受けることで、医師として成長できるのではないか、たとえば同じ疾患であっても、違った視点を持つことで、診断の引き出しが増えると考えて、母校とつながりのない病院を選びました。
 言葉で説明するのは難しいのですが、用事があってマリアンナの本院に行ったときに、あらためてマリアンナらしさという雰囲気があることに気づいたんです。その後、多摩病院に帰ってきて、満尾先生や吉田先生と話していると、マリアンナ出身の自分たちとは違った見方で物事を捉えているんだな、と感じることがあって、それが自分にとって刺激になりました。


――多摩病院の研修はどのような人が向いていると思いますか?
吉田 将来に向けての基礎をしっかりと固めたいと考えている人には、ぜひ多摩に来てほしいですね。
満尾 多摩病院は市中病院なので、コモンの症例を多く診ることができます。また、患者さんの数が多すぎるということがないので、一人ひとりの患者さんを、時間をかけて診ることができます。診察の基礎がしっかりと身につき、ぜひお勧めしたい職場です。
 市中病院である一方で、医師は大学病院に勤務されている先生方がいらっしゃいます。コモンな疾患を診られるという意味では市中病院のメリットがあり、また、コモンな疾患かと思ったら実は専門的な診療が必要だったというときには、大学院や専門病院で経験を積んだ先生の診療を間近で見ることができます。
荒木 小児科研修のときに診た症例ですが、インフルエンザで入院した患者さんが、経過を見ているうちに、神経内科の疾患に似た兆候を示したことがありました。すぐに専門の先生に診ていただいたのですが、脳波を見た瞬間に、先生のなかでスイッチが切り替わったことがわかったんです。まるで公道を60キロのスピードで走っていたスポーツカーが、高速道路に入って100キロに上げたときのような感覚です。診断と措置は的確で、市中病院にいながら、大学病院のような専門性の高い診療を見ることができて、勉強になりました。
満尾 見学では、指導医の先生がみな教育に熱心という印象を受けました。突き放すような指導法をとる病院もあると聞きますが、私は細かく教えてほしいと思っていたので、手厚い指導に魅力を感じました。
荒木 さっき、マリアンナらしさという話が出たけれども、多摩病院は面倒見のいい先生が多いよね。
 プログラム責任者の家先生は、お忙しい立場にもかかわらず、研修医の指導に時間を割いていただいています。先生は、アメリカでエビデンスに基づく診療のスキルを磨かれて、臨床での判断力や、知識の豊富さはすごいのに、気さくな面を持っていらっしゃいます。声を掛けにくいという雰囲気はまったくなくて、ちょっと疑問に思ったことを尋ねると、1の質問に10くらい答えてくださいます。
吉田 家先生が週に1回開く勉強会に参加していますが、大学のように大きな病院では、責任者のポジションにいる先生と毎週一緒に勉強する機会はなかなかないですよね。その先生の姿を間近で見ていると、学ぶことがありすぎて、良い刺激となっています。
満尾 先生から症例のプレゼンをする機会をいただいたのですが、忙しい合間を縫って、基本的なところから何度も指導をしていただきました。私は学生のころは積極的に質問するタイプではなかったんですけど……。
吉田 何か質問は、と聞かれても、「いや、ないです」というタイプでしょう。
満尾 そうでした(笑)。でも多摩病院に来てからは、積極的に質問するようになりました。質問をしたいという気持ちというか、質問する“勇気”を掘り起こしていただいと思っています。
荒木 ポジティブに学びたいという人にとっては、意欲があればあるほど、その希望を叶えられる仕掛けがある。たとえば、2年目からは多摩病院以外のクリニックや病院で研修する機会があります。ホーム&アウェイで、1年目は慣れた環境で手厚い指導を受けながら基礎を固める。そして2年目からは新たな環境で、更なる経験を積める事はプログラムとして理想的だと思います。
 私が強く推したいのは、勉強会が豊富に用意されている点です。とくにお勧めしたいのは、モーニングレクチャーですね。週一回、朝7時半から、各科の先生が診療の基礎を教えてくださいます。座学だけではなく実技もある、そのような勉強会は他の病院では少ないようで、他の病院に行った研修医に話すと、みな驚きます。
吉田 朝早く起きるのは大変ですが、それに見合った量の知識や経験を得られます。考えかたは人によって違うので、自分にとって本当に必要なことを自分のペースで学びたいという人もいれば、目の前にあるものはすべて吸収したいと考える人もいます。決めるのは自分という環境は整っていて、背中を押して、支えてくれる先生方がいる。それが多摩病院のアピールポイントだと思います。


――オンとオフの切り替えについてお聞かせください。
満尾 休みもとれないくらいに忙しいのだろうと思っていましたが、週末は休みがもらえます。また、当直明けは必ず帰宅して休息に当てるように、と上級医の先生が言ってくださいます。無理をさせないという病院の方針が徹底されていると感じました。
吉田 夏休みなどの休暇がもらえるので、オンとオフの切り替えはしっかりとできます。
荒木 当直の日程も事前にいえば考慮してもらえます。
 無理を言って当直の予定を調整してもらい、同期の8人で旅行に行ったことがありました。誰からともなく「温泉に行きたいね」という話が持ち上がって、一泊二日で旅館に泊まって、夜は宴会で盛り上がりました。
吉田 研修科が入れ替わる時期だったので、うまくスケジュールを合わせて、その日だけ、当直を外してもらいました。他の先生方のご理解とご協力に感謝しています。
荒木 環境面で言えば、病院の立地もセールスポイントの1つです。ここにはオンとオフの切り替えを担保するための条件が揃っています。
 まずは駅から近い(笑)。病院も寮も歩いて10分圏内ですし、すぐ近くにはスーパーもある。最寄り駅の登戸からは快速急行に乗れば20分かからずに新宿に行けます。私は休みの日、都心に出て遊んだり、買い物をしたりして過ごすことが多いので、便利ですね。
吉田 衣食住は重要だと思います。勤務が終わって帰るときに、通勤時間が長いと疲れが増して、翌日にも響きます。また、息抜きの時間も削られてしまいます。職場の近くに住まいがあって、ちょっとした買い物は近所のスーパーですますことができて、息抜きをしたいときには気軽に都心に出ることができます。仕事が終わったあとや休日をストレスフリーに過ごせるので、日中は研修に打ち込むことができます。研修病院を決めるときには、衣食住の環境にも注目してほしいですね。