評価方法

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1.電子カルテと連動したリアルタイム到達度評価システムによる効率的な研修

厚生労働省による臨床研修到達目標の経験目標として下記が掲げられています。
①経験すべき診察法・検査・手技
②経験すべき症状・病態・疾患
③特定の医療現場の経験
当院の電子カルテシステムは医療情報部が開発したシステムにより、研修医の皆さんの経験を電子カルテ上にその都度記録しておくことができるようになっています。その記録を集計し、必修経験目標に対する到達度および個々の手技などの現在までの記録がリアルタイムに把握できます。各研修医の皆さんはその情報をもとにして今後の研修計画を緻密に組むことができます。また、本システム上で臨床研修症例レポートの作成も行うことができます。本システムを利用することにより、偏りのない幅広い経験と振り返りを効率的に行うことができます。

2.Tutorと指導医の連携による細やかな評価に基づく研修サポート

各研修診療科に厚労省指定講習を受講した臨床研修指導医が配置されており、診療科研修中の進捗状況を確認します。各ローテーションの終了ごとに評価システムを用いたデータを参考に研修の進捗状況を指導医が確認のうえ、Tutorによりそれまでの研修全体を見渡した確認と指導、フィードバックを細やかに行っていきます。

3.ポートフォリオを通したフィードバックと実践的な振り返り

ポートフォリオとは芸術領域で以前から用いられてきた、学習が生じたエビデンスを集めたものです。その内容は研修医の皆さんが資料を能動的に選別し、集めていきます。内容は前述の必修研修目標を含めた患者記録用紙(症例レポート)のほか、手技検査の経験および内容、症例検討会や学会の発表記録、SEA(Significant Event Analysis)*1などの事象経験の記録、Mini-CEX*2による実践的な臨床技能評価、およびRIME Model*3による習熟段階評価などを含み、各研修医のそれまでの経験及び研修が一つにまとまったものです。これによる評価を行うことで、より多面的な評価が可能になり、研修医の皆さんが容易にそれまでの研修課程を振り返ることができます。

 
*1 Significant Event Analysis
重大な出来事、特に『心』を揺さぶられた出来事を選んで振り返りをする手法です。
1940 年代に第二次世界大戦中に米国で開発された Critical incident technique という重大な失敗をおかしたパイロットの事例をみんなで振り返り、改善点を出して改善していくという方法がもとになっております。現在ではプロフェッショナル教育の有効な方法として個々の医師(医師以外でも可)が経験した重大な出来事を振り返り、少数グループでディスカッションして今後の診療の質改善につなげていく方法として発展しています。これにより何となくの経験を言語化し、当事者および関わっている人々の理解を深め共有することができます。

*2 Mini CEX
1970年代に米国内科学会で開発された臨床評価システムCEXの簡易評価版。1990年代に開発され欧米を中心に研修医のOn the Job Training (OJT)の効率的な評価およびフィードバックの手法として用いられています。20分程度で問診、身体診察、検査などを行い、その後評価者に鑑別疾患やその根拠、今後のマネジメントプランなどをプレゼンしその場で評価者からフィードバックを受けるという方法です。

*3 RIME Model
学習者の習熟段階評価法の1つであり “RIME”はReporter(報告ができる),Interpreter(解釈ができる),Manager(対応ができる),Educator(教育ができる)という4つの言葉の頭文字を取ったものです。ただ受動的な学習ではなく指導・教育をゴールとすることで、より多方面で活躍できる実践力をつけることができます。